時間切れ!倫理

 58 概要

 世界三大宗教といういい方がありますが、三つの宗教をいえますか(キリスト教、イスラーム教、ヒンドゥー教、ユダヤ教、仏教との答え)。
 キリスト教は三大宗教。信者数は世界人口の30%を超えます。あとはイスラーム教と仏教。イスラーム教はキリスト教に次いで人口は多く、世界人口の20%を超えるそうです。日本でもムスリムが少しずつ増えている。女性でムスリム男性と結婚して改宗する人が多いそうです。仏教信者は世界人口の7%。仏教人口は調べるのが難しい気がする。私は、信仰はないけれど、欧米人に宗教をたずねられたら、きっとブッディストと答えると思う。仏教徒にカウントされるでしょ。信仰心ないけれど。大体の日本人は、正月に神社に初詣にいき、結婚式はキリスト教会で挙げ、死んだら仏式で葬式をする。死んだときが一番重要だし、実家には仏壇があるし、やっぱり仏教徒かなっていう感じですよね。それが日本人の宗教心で、それでよければ仏教徒にカウント。ダメなら仏教徒人口は一億人くらい減りそう。北朝鮮や中国の人の信仰は、なかなか分からなそうだし、5億人超えるという仏教徒のホントの数は実は難しいと思う。東南アジアでは信仰されているけれど、発祥の地インドでは、ほとんどいません。少しいる人たちは新仏教徒。
 実はヒンドゥー教の方が、仏教よりも信者数が多い。10億人はいる。世界人口の13%。ヒンドゥー教はインド人の宗教。そもそもインド人の人口が多く、その8割を占めるから信者数も多くなる。ヒンドゥー教徒の方が仏教徒より多いけれど、これは三大宗教に入りません。
 なぜか。三大宗教とは、信者数の多さだけではなく、民族を超えていることが重要な要素です。仏教はインドで生まれたけども、日本人も信じているし、ベトナム人も信じている。ヨーロッパ人やアメリカ人にも信者はいるでしょう。
 イスラーム教はアラブ人の間に生まれたけども、今や民族を超えて世界中に広がっている。キリスト教もそうだよね。しかし、ヒンドゥー教やユダヤ教は民族を超えて広がっていないので、世界宗教ではない。
 そのユダヤ教ですが、三大宗教には数えられませんが、重要な宗教です。ユダヤ教からキリスト教が生まれました。イスラーム教も生まれました。世界三大宗教のうち二つはユダヤ教から生まれた。そういう意味でめちゃくちゃ大事です。ユダヤ教を知っておかないと、キリスト教、イスラーム教の説明がしにくいので、最初にユダヤ教の話をします。
 ユダヤ教がお父さんなら、長男がキリスト教、次男がイスラーム教。だからこの3つは実はめっちゃ似ている。キリスト教とイスラーム教は、いがみ合っているように報道されるから、似ていると聞くと意外に思うかもしれませんが、似ているから相手を許せない部分があるのかもしれない。それに比べると、仏教は全く根本から違うので、キリスト教やイスラーム教の敵にもならない。完全に圏外、土俵の外です。

 ユダヤ教を生み出した民族はイスラエル人です。倫理の教科書ではイスラエル人、世界史ではヘブライ人という名前で出てきます。現在はユダヤ人という。今現在イスラエルという国があるので、イスラエル人というと民族名ではなくてイスラエル国籍の人を指すことにもなってしまうから、ユダヤ人と呼ぶのが適切な気がします。しかし倫理の教科書では、昔のユダヤ人のことをイスラエル人と呼んでいます。ちょっと注意が必要です。
 ユダヤ教は、紀元前6世紀頃、パレスチナ地方で生まれた。パレスチナ地方の場所を資料集の地図で確認しておいてください。現在イスラエルという国があるあたり。
 東にチグリス・ユーフラテス川が流れていて、古代にメソポタミア文明が生まれました。豊かな川の水で文化が栄えた。西にはナイル川が流れる古代エジプト文明がありました。ちょうどメソポタミア文明とエジプト文明の中間の場所。大きな文明が比較的そばにあってその影響を受けていた。
 メソポタミア地方やエジプトと比べると、パレスチナ地域は乾燥地帯で、豊かな場所ではない。厳しい生活を送っていたのがイスラエル人でした。オアシスで小規模な農耕・牧畜をおこなったり、遊牧生活をしていた。さまざまな生活を営みながら、パラパラとこのあたりに住んでいた。
 彼らが生んだユダヤ教が一神教の元祖となる。キリスト教、イスラーム教の母体となる。一神教は、わたしたちには理解しにくいですが、一つの神様だけを信じなければ駄目な宗教です。神様がいうのです、「わたし以外の神を信じるな」と。阿弥陀如来は「阿弥陀如来の以外の神仏を信じるな」とはいわない。天神さまも「ワシ以外の神仏に合格祈願をするな」とはいわない。
 世界の中で一神教は、ユダヤ教と、ここから生まれたキリスト教、イスラーム教だけです。それ以外に「わたし以外の神を信じるな」と信者に要求する宗教は多分ない。少なくとも、メジャーな宗教にはない。
 一神教には一神教であるがゆえの独特の教義が生まれることになります。

 2021年12月4日

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